夏休みアクティビティ⑨ 【日本文化体験~お箏に触れてみよう~】

MOCOPLA四ッ谷教室の夏のアクティビティ

日本文化体験~箏(こと)本体の歴史・使い方・造りなどについて学ぶ~

【日本文化体験~お箏に触れてみよう~】のご報告です。

日常では、邦楽・和楽器といった日本の伝統音楽や楽器に接する機会の少ない子どもたちが、お箏を聴いて観て触って、お箏の歴史や音色を知り、最後は自分で演奏する。

和楽器を弾けるようになる喜びに加え、日本の伝統文化を大切にする心や立ち居振舞いを自然に学べるアクティビティです。

目次

箏ってどんな楽器?

心安らぐやさしい音色の箏は、和楽器の中でも一番なじみの深い楽器ではないでしょうか。

箏の歴史

箏は、奈良時代に中国、当時の唐から日本に伝わり、雅楽の伴奏楽器として演奏されたのが始まりと言われています。そして、江戸時代後期から明治時代に入ったころ、一般に普及したそうでう。

江戸時代に入ると、八橋検校(やつはしけんぎょう)によって、現在の箏曲(そうきょく)の原型となる新しいスタイルの曲が作られました。

造り

箏は、桐の木をくり抜いた箱状の構造でアーチ状の上部に13本の弦が張られています。長さはさまざまありますが現在では約182cmのものが主流になっています。

各部名称

龍甲(りゅうこう)

龍甲は筝の中心となる胴体(どうたい)です。演奏する人は、弦を下から支える柱(じ)よりも右側を、右手ではじいて音を出します。

龍尾(りゅうび)

筝に弦を張った後、胴体にあいた穴に弦を通して結びます。余った糸はそれぞれ6本と7本ずつに分けて、柱より左側の龍尾と呼ばれる部分に巻いておきます。弦が切れたときに、この糸を使うためです。

柱(じ)

音の高さを決めるための道具で、上部に刻まれたみぞに弦を乗せて音を調律すると共に、弦の振動(しんどう)を龍甲に伝える役目をしています。

子どもたちの様子

京都の和菓子「八ツ橋」は八橋検校を偲んで名付けられたという説があるそうです。

先生から「八ツ橋食べたことある子~?」の問いに「???」のリアクション。八ツ橋は子どもたちのおやつには浸透していないのですね(笑)

の違いって?

実際に箏に触れる前に筝の動画を視聴し、筝についての基礎的な知識などを学びます。まず「」と「」の違いについて解説してくださいました。

最初は私も「箏と琴って同じじゃないの?」と思っていました。子どもたちからも「違うの~?」と声があがりました。

結論から言うと、箏と琴は違います。別の楽器なんです!箏と琴の違いは、簡単に言うと柱があるかないかです。

柱(じ)がある:箏

柱(じ)がない:琴

 ※柱(じ)は絃の下に立てて音程を変える可動式の小さい道具のこと

子どもたちは、筝の動画や先生の説明に集中していました。終わると、「ふんふん、そうなんだ!!」「違いが分かった~」と納得している子どもたち。

すると突然、「弾いて~、弾いて~、」の子どもたちから先生へのリクエスト!!譜面台を置き、筝の調律をし始めると、子どもたちは、わっ~と先生とお箏の周りを取り囲み、「先生~何弾いてくれるの~」「楽しみ~」など声が聞こえます。

先生の演奏

子どもたちのリクエストで、先生は2曲披露してくださいました。

1曲目は、“星にねがいを”

2曲目は、“ミッキーマウスマーチ”

子どもたちの知っている曲だったので、みんなでお箏の音に合わせて大合唱になりました。とても楽しそうです!

グループに分かれて合奏練習

次は、3人グループに分かれて“かえるの合唱”の練習です。

“爪”という筝の弦を弾くための道具のはめ方を教えていただき、手の動かし方を実際にやってみます。

体験では、親指だけを使って演奏しました。

1.まず、親指に“爪”をつけます。

2.筝に対して斜めに座ります。

3.弦の上に左手を添えながら、爪で弦をはじきます。

一生懸命 弦を弾いているのですが、爪をつけた小さい親指は、なかなか思うように動かない様子。 参加した子どもたち全員、箏に触れるのが初めてでしたが、説明をしっかりと聞いて練習に集中します。

苦戦しながらも、最後には“かえるの合唱”を輪唱して弾くことができるようになりました♪

普段は元気に走り回る子どもたちも演奏中は背筋をピンと伸ばして日本文化の伝統に身を投じます。その姿は、とてもかっこ良く、凛々しく、美しくさえ見えました。

鑑賞したり演奏体験をしたりすることで、日本の伝統音楽に触れ、その特徴を知り良さを味わうことができた充実した時間となりました。

さいごに

真夏の日差しが燦燦と降り注ぐ猛暑日でしたが、参加してくれた子どもたちは、ものともせず、熱心にお箏を弾いていました。小学1年生には、レッスン時間が長いのではないか?という心配をしましたが、それをよそに、とても集中して弾いていました。その姿には思わず関心しました!

楽器の説明では 「昔から続いてきた音楽だとわかった」、体験では「日本にはこんなきれいな音色の楽器があったんだ」「楽しい楽器!またやりたい!!」など、さまざまな声が聞こえました。一人一人に驚きや発見や感動があったようです。

さらに、伝統楽器「箏」が楽しめる楽器であることを理解した子どもたちは、異学年の子どもたちと合奏することで、大きな達成感も感じたようです。箏の体験が素敵な思い出として、子どもたちの心に残ってくれれば嬉しく思います。

これからも、心に響くアクティビティを実施していきたいと思います!


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記事監修者 橋本直子

執筆監修者 橋本直子(はしもと なおこ)

株式会社MOCOPLA代表取締役
一般社団法人日本教育メソッド研究機構(JEMRO)監事

教育実習時に教師は向いていないと思い、一般企業勤務後に寿退社。子育ての中で、子どもが言葉や数量感覚を獲得していく過程が面白く「子どもって面白い!育つとは?」と興味を持つ。行列ができる塾を経営しながら、男子3人を育てあげる。塾では高校生に数Ⅲまで指導していた理系女史。

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